人事評価を導入すれば歯科医院のスタッフ不足問題が劇的に変わる!?

院長の先生方は「人事評価」と聞くとどう感じるでしょうか。
たいていの先生は「うちの歯科医院は人数は少ないから関係ない」「人事を考えるほどスタッフがいない」「人事評価するほどではない」とおっしゃることが多いです。

歯科医院の慢性的な悩みとして「スタッフ不足」がしばしば挙げられますが、どのように解決されているかというと、たいてい求人を多く出したり、給料を挙げたりなど苦肉の策で対応しています。
でも実は、人事評価を整備するだけで歯科医院の悩みを劇的に変えることが可能なのです。

今回は、どうして人事評価を整備する必要があるのか、なぜ人事評価で悩みが解決するのかを解説します。

人事評価は歯科医院を劇的に変える薬

「ヒト」に関わる問題は人事制度を見直すことで解決できます。

歯科医院の慢性的な悩みである「スタッフ不足」を加速させる退職問題。
実は、スタッフの退社理由としては「人間関係」が多くの割合を占めているのです。

人間関係の背景には仕事に起因するものも多くあり、中でも特に、上司からの評価による揉め事があります。
歯科医院では上司=院長であることが多いため、なかなかスタッフが意見を言い出せないことがあります。
例えば、もし評価に疑問があっても評価者=経営者であるため、意見をして自分の雇用が危うくなるのではないかと心配されることもありますし、公正でない評価によってスタッフのモチベーションが下がってしまいます。

客観的に判断できる人事評価を整えておくことで、こういった不満を取り除くことができます。

【関連】人事評価とは?最適な評価ポイントや人事制度との関係、人事考課との違いをご紹介!

人事評価の作成・運用のステップ

多くの歯科医院では、評価という評価をしていないのではないでしょうか。
社歴や、院長から見た施術の腕・対応によって昇給させるなどの曖昧な評価では、不満の発生につながりかねません。

人事評価は、昇給の尺度だけでなくスタッフの成長を促すことも可能にします。
評価をして、目標を設定して・・・というPDCAを回せることもポイントです。

人事評価の作成・運用は、評価基準を策定後、目標の設定→進捗確認→評価→フィードバックというステップで進みます。

評価基準の策定

歯科医院では職種の違うスタッフが働いているため、歯科技工士、歯科衛生士、歯科助手などの職種ごとに考えていきましょう。

等級(レベル)を分け、それぞれの評価基準を考えていきます。
等級1では施術者(医者)の指示通りに対応できること、等級2では自らがメインで患者さんの施術を行えるように動くこと、といったように能力や行動の基準を策定していきます。

目標の設定

評価をする前に、個人で目標を立てさせます。
もちろん医院内としての目標、例えば「リピート率を120%にする」などを掲げるのもいいのですが、個人として自分の求められている評価基準を見たうえで目標を立ててもらうことが効果的です。

【関連】人材を伸ばす!歯科スタッフの目標設定うまくいっていますか

定期的な進捗確認

先ほど立てた目標をどのくらい達成しているかをチェックします。
これに関しては評価者(院長)ではなく、スタッフ同士でも構いません。

スタッフを評価

評価は、ただ評価者がつけるだけでなく、本人にも自己採点をしてもらいます。
自己採点することで評価者側もどのような考えかもわかりますし、本人も自分の行動を改めて認識する機会になります。

この時、人事評価シートがあるとわかりやすいです。
後ほどシートの例をご紹介します。

フィードバック

人事評価をしたあと、なぜこのような点数をつけたのかをスタッフに説明します。

よくフィードバックを忘れて給与や待遇にだけ反映している方もいますが、このプロセスが一番大事です。
なぜこの点数のなのか説明することで、スタッフ側も納得して勤務することができます。
また、足りないところ・直してほしいところを説明することでスタッフの成長を促す機会になるのです。

人事評価シートをご紹介

人事評価を行う際はシートを作成することをおすすめします。
基準とそれに対する達成率が目に見えてわかるからです。

今回は歯科技工士の評価シートをイメージしてサンプルを作成してみました。

ここでいう等級というのは、給与を定める際の指標となるスタッフのレベルのことです。
等級が上がるにつれて評価基準が変わります。

基準については別途人事考課として、作成してきます。
この評価シートには、歯科スタッフとしての評価項目と歯科技工士特有の業務内容の評価項目をいれていきました。
また本人自身に、取り組んだ内容を自由回答として記載してもらうことで、スタッフがどのような考えで対応しているか見えてきます。
自由回答は人事評価では少ないですが、今回は導入してみました。

項目に関しては、スタッフの職種や等級によって変えていくとよいでしょう。
このような明確な基準を設けることで、なぜこの給与待遇か問われた場合に説明もできますし、等級を上げるための改善点もアドバイスしやすくなります。

スタッフの育成にも利用できるので、医院に合わせてこのような人事評価シートを作るのをおすすめします。

【関連】人事考課(評価)シートの書き方を5分で解説します!

歯科技工士・等級1 評価シート
評価
評価項目 1点 2点 3点 本人 院長
業務の正確さ
業務効率の提案
コスト意識
報連相
チームワーク
院内規律
整理整頓
患者への対応(コミュニケーション等)
事前準備
治療知識
型取り・石膏づくり
再製率
材料管理
計画性
完成度
手術介助
点数小計
新患の増減に対しての対応(本人による自由回答)
中断患者の増減への対応(本人による自由回答)
点数合計
備考欄(評価者記述)

歯科医院で注意すべき人事評価のポイント3つ

人事評価をするためのツールを作るだけで満足していませんか。
中には、「人事コンサルタントや社労士さんに人事評価シートを既に頼んでいるから大丈夫」「人事制度は既に作っているからうちはそのようなことで困ることはない」とおっしゃる院長もいらっしゃいます。
ですが、重要なのは、その人事制度が医院内で浸透しているか、人事評価が正しく運用されているかなのです。

先ほども人事評価のプロセスのお話をしましたが、きちんと対応していないと絵にかいたモチになってしまいます。
そこで評価する上での注意すべきポイントをまとめてみました。

①先入観をもたない

昔一度失敗したからといって、そのスタッフを色眼鏡で見てしまう方がいます。
先入観を持たずに、その評価期間内の行動に一つ一つ着目して評価すべきです。
主観を入れず、客観的に判断をするようにしてください。

②職務以外の評価をつけない

人事評価は職務のときの内容に対してのみ行います。
懇親会の席や時間外の行動については、評価をいれないことが鉄則です。
「懇親会にこないから協調性がない」などといった評価は必要はありません。

③基準は一定に保つ

気に入っているスタッフだけ点数を高く評価してしまうと、人事評価制度を整備した意味がありません。
スタッフを評価する際は、人事評価項目ごとにどのスタッフに対しても一律で評価することを忘れないようにしましょう。

まとめ

歯科医院の悩みの大半が「ヒト」の関係する問題から起こっています。
組織における「ヒト」の問題を解決するには、「人事」を整えれば解消します。

今回は人事評価を整備することで、評価によるスタッフ同士の対立を解消できることをお伝えしました。
経営者との距離が近ければ近いほど、客観的な評価ができなくなるのはよくあることです。
そのために、だれにでも説明できる客観的な基準が必要になるのです。

人が1人でマネジメントできる人数は3人までといいます。
多くのスタッフをこまめに評価することは難しいのです。
誰かに評価するための仕事をお願いするにも、指標を作ることは大事です。
ぜひこの記事を読んで一度人事評価の見直しをしてみてください。

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